2009年のコンサートに戻る

  「冬支度一息ついてコンサート」
 
師走のあれもこれもを前にちょっとゆったりするコンサートはいかがですか。
音楽を聴きながらの居眠り歓迎と言ってくださる、その名も「うたたね」のお二人。
リュートは「天使の楽器」といわれ、ルネッサンス時代の絵にはたくさん描かれています。
かのエリザベス女王1世は眠れぬ夜にリュートの音色で眠りにつかれたという逸話が残っているそうです。
フランス中世の曲に美しい日本語の訳をつけて深川さんが朗読し歌へと誘ってくれる
コンサート。がんばっている心を解きほぐし、ほっこり優しく包み込んでくれることでしょう。
どうぞ、深まる秋の庄兵衛にお出かけ下さい。

2009年11月29日(日) 出演者 プログラム

☆11月29日(日)

昼の部 
13時開演 (12時半開場)


夕の部 
16時半開演(16時開場)

☆出演者 【うたたね】
深川 和美 歌  
高本 一郎 リュート

むかしむかし、シンデレラが・・・
花咲く季節に
金の波、銀の波
踊り子
湖上

プロフィール

深川和美

神戸生まれ。京都市立芸術大学音楽学部声楽専修卒業。
フランス・パリへ留学後、フランス近代歌曲を中心に活動を始め、
'94年フランス音楽コンクールにおいて、フランス総領事賞受賞。
'99年には神戸市文化奨励賞受賞。 '93年関西二期会に入り'03年退会。
大学時代よりエリック・サティに興味を持ち始め、サティの歌曲をマイミストや美術家、
タップダンサーなど視覚的要素の強いジャンルのアーティスト達とコラボレーション
を繰り広げていたが、'95年の震災より日本文化を見つめ直し、 日本の歌や武満徹の曲、
中原中也などの詩人の作品なども歌うようになる。 '02年谷川賢作氏プロデュースの
新しい日本語歌曲のバラード集「浜辺のソプラノ」を発表。
'04年突撃録音して作ったCD「アミチエ」はフランスとカナダでサラヴァよりリリース。
'04年より観客参加型コンサート「深川和美の童謡サロン」を主宰し全国各地で公演。
'07年セルフ・プロデュースによる歌曲セレク ションCD『宮水』を発表。
http://www.kazumi.info/

高本一郎
幼少よりギターを始め「第3回読売ギターコンクール銀賞」など数々のコンクールに入賞。
相愛大学音楽学部卒業後、フランス国立ストラスブール音楽院リュート科にて研鑽を積む。
毎年ヨーロッパ各地の音楽祭に参加。本年3月にはフランス・ルーヴル美術館にてソロ公演。
ヨーロッパ・アジア・オセアニア各国でのリサイタルをはじめ、国内外の著名な音楽家との共演、
CD録音、TV・ラジオ出演、CM音楽製作、演劇・狂言・朗読・パントマイム・講談の舞台に参加するなど、
多彩な演奏活動を展開している。「日本テレマン協会」ソリスト、「ダンスリー・ルネッサンス」メンバー。
大阪音楽大学付属音楽院講師。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~jun_y/lute_hp/home2.html
【冬支度一息ついてコンサート】を聴いて
リュート? 名前を聞いたことは記憶にはある。けれど 音を聴いたことはなくましてや実物を見たことなど全くない。 予備知識を得る為、私は音楽にホンの少しだけ詳しい知人を訪ねた。 知人の言によるとペルシャからアラビヤを経由して中世ヨーロッパに伝わったマンドリンや日本の琵琶に似た多弦の古楽器で宮廷や貴族の館で演奏されると言うことや音量の小ささという特質から他のより大きい音量の楽器に押され衰退したが、近年その良さが見直され復活の動きが盛んであるといったごくごく基本的な最低限の知識だけを得て私はクラシック、又はそれに近い音楽が演奏されるのだろうと勝手に思い込み「桜の庄兵衛ギャラリー」へと向かった。
演奏が始まった。 深川さんの抑えた調子の語り しみいる様な高本さんのリュートの音色。歌が始まる。「むかしむかしシンデレラが」 「花咲く日々に」 「ん?フランス語?いや 少し違う。一体どこの国の言葉なのか」疑問は2曲の演奏が終わった後の解説で解かれた。4~500年前のフランスの古語だとか。歌い手さんというのはそんなに古い外国語にまでこだわらなければいけないのか。驚きと共に尊敬の念を覚える。 演奏が再開される。この辺りまではかなり神経を集中しリュートの音色 詩の語りを聞いていた。次第にゆったりした気分になってくる。自分から音を聴きにいくのではなくて音の方から自分に近付いてきて柔らかく身体を包んでくれる様な気がしてきた。丸く穏やかな歌声が耳に心地よい。静かなリュートの音色、素直に胸にひびく。曲がすすむ。胸にある様々の雑念 鬱憤が薄れていく気がする。一部が終わった。ふと我にかえる。もしかすると眠っていたのか?お二人のデュオ名「うたたね」その状態になっていたのか。

休憩 庭に出て煙草を一服。何か身体が軽く感じる。心が軽くなると身体まで軽くなるのだろうか。

二部が始まる。特別リクエストのユーミンの曲が演奏される。こんなニューミュージックを演奏するなんて。私の勝手な予断は完全に覆された。「踊り子」ハスキーがかった高音部の熱唱に圧倒される。日頃 わらべ唄の採取と普及に力を入れておられるとか。どちらが彼女の本質的な持ち味なのか。どちらもがそうなのか。 終盤に差し掛かる。お客様に呼びかけての手拍子 合唱 会場一体になった盛り上がり。大きなホールとは一味違った親近感のあるフィナーレだった。

終演後高本さんにお話を伺う機会があった。「ヨーロッパでは演奏会場のホールにせよ教会にせよ反響面が大変よくできているので演奏もやり易い。その面では日本はまだ劣っています。しかし、ここ「桜の庄兵衛」さんは満足の出来る造りの建物です。」との事。
「桜の庄兵衛ギャラリー」の魅力とは何なのか?考えてみた。

観客の至近距離で演じられる為、親さが持て、リュートのような小音量の楽器でさえ音響機器を使う事無く生音を楽しめる適度の空間。
暖かい木のぬくもりを感じる事の出来る伝統家屋。
種々のイベントを企画、運営されているここのご主人、奥野さんご夫妻の人柄、姿勢。
ご夫妻を手助けされている方々のお力。
参加されるお客様の観賞姿勢。
これらが相乗的に相俟って「桜の庄兵衛ギャラリー」の魅力を作り上げている様に私には思える。
全てが終わり満ち足りた思いで帰途に着いた。有難う御座いました。