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2005年11月13日(日)   Vol.33
            
        秋高く気爽やかコンサート 
秋高く気爽やかコンサート
  「桜の庄兵衛」にとっては初のピアノソロコンサートです。

お迎えするのは「魂を奏でる奇蹟の天才ピアニスト」と称される平原誠之さん。

何かに祈りたい時、ちょっと心を休めたい時…
平原さんのピアノの調べはどんな時も私たちを優しく受け容れてくれることでしょう。

大切な人とあるいはお一人で深まりゆく秋の「桜の庄兵衛」にお出かけ下さい。
プロフィール
  平原誠之(ひらはら まさゆき)

1980年神戸に生まれる。独自の演奏と作曲法に対し音楽評論家家永勝氏から「平原音楽」と命名される。2003年、舞子ビラホテル内 あじさいホール(神戸)、中野市民会館(長野)、うはら大ホール(神戸)でソロリサイタルを開催し、同年10月、紀尾井ホール(東京)で本格的にデビューリサイタルを開催した。以後、東西の大小ホールで演奏会を行うとともに、養護園、老人ホームを定期的に訪れ、チャリティーコンサートや、ボランティア活動を行っている。

何ものにもとらわれることのない斬新さあふれる演奏と作品は、多くのフアンを魅了し続けている。その細やかな表現をする一音一音を紡ぎ出すための集中は、まさに入魂の演奏であり、ファンからは、悲しみや寂しさを真に生きる喜びと力にかえることのできる鬼才ピアニストであると称される。

◎CD「あふれる涙・・・」絶賛発売中。2005年10月にDVD「魂の響き」が発売決定。

プログラム
  第1部
1.ある愛の詩 作曲:フランシス・レイ
2.乱れ髪 作曲:船村撒
3.グリーンスリーブス イングランド民謡
4.アルハンブラ宮殿の想い出 作曲:タレガ
5.アヴェ・マリア 作曲:シューベルト
6.ノクターン20番嬰ハ短調 作曲:ショパン
7.幻想即興曲嬰ハ短調 作曲:ショパン
8.ハンガリー舞曲第1番ト短調 作曲:ブラームス
9.ピアノ5重奏曲「鱒」による華麗なるアレグレット変ニ長調
              作曲:シューベルト 
     (休憩)
第2部
1.阪神・淡路大震災〜犠牲者への鎮魂〜 作曲:平原誠之
2.マズルカ第13番イ短調 作曲:ショパン
3.ノクターン第2番変ホ長調 作曲:ショパン
4.24の練習曲より・第3番「別れの曲」ホ長調 作曲:ショパン
5.24の練習曲より 第12番「革命」ハ短調 作曲:ショパン
6.バラード第3番「激情jニ短調 作曲:平原誠之
平原誠之「ピアノ・コンサート」                               八木 正博
心の中で『今にここにいる人たちはびっくり仰天するはず!初めて「平原音楽」に出会った人はきっとその「迫力」「圧倒的なエネルギー」「繊細・やさしいタッチの後に来る“何か”の爆発」に度肝を抜かれるはず』そう考えながら、桜の庄兵衛さんの広いお屋敷の畳席後方真ん中の席でわくわくして開演を待ちました。

私にとって、桜の庄兵衛さんでのコンサートはこれで4回目ですが、昼の部・夜の部を通しで楽しませていただくのは初めてのことでした。
しかも開演1時間近く前に庄兵衛さん家に着いたのでした。いつもは、どんなことでも:会議でも、飛行機に乗るのでも時間ぎりぎりに着くのが習性になっている筆者がどれほどこのコンサートを楽しみにしていたか、という証です。

祈りに似た精神集中の後、まず始まったのが「ある愛の詩」:同年代の方は覚えていることと思いますが、1970年頃大ヒットした映画の主題歌です。筆者には特別の思い出があります、それは、この映画は(当時東京の丸の内ピカデリーという映画館で上映されたのですが)筆者がこよなく愛するE・プレスリーのコンサート・ドキュメンタリー映画「プレスリーオンステージ」の次の上映作品で、何度もプレスリーの方を見に行ったために、「ある愛の詩」の予告編を何度も見ることになり予告編のストーリーは全部憶えてしまったくらいです。

美空ひばりの「乱れ髪」の後、またまた思い出深い「グリーンスリーブス」(前回の感想文でもグリーンスリーブスの思い出を書きました=楽屋おち)。
さてそれから平原誠之の世界にどっぷり入っていきます:アルハンブラ、アヴェ・マリア、ショパンのノクターン(余り馴染みの無いほう)、幻想即興曲と続き、前半の極めつけであるハンガリー舞曲で飛び跳ねました、弾き手がです。
アメリカではよくポピュラー音楽のピアノ弾きが、例えば初期のロックシンガーのジェリー・リー・ルイスや、80年代一時ラスベガスでキンキラ金の派手な衣装と透明なピアノで人気の高かったピアニスト(名前は忘れましたが)などが飛び跳ね、お尻で鍵盤をたたいたりするのを見ましたが、平原さんのは、まさに霊感を受けたように自然と跳ぶのです。

ものすごいエネルギー・「音楽力」の爆発後のシューベルトの「鱒」は絶品でした。ほんとに魚が透き通った水の中を泳いでいるような演奏で前半が終わり・・・後半は平原さんのご出身地神戸への震災鎮魂曲で始まりです。ちょうど屋外で小鳥の声がBGMとして流れ、雨上がりのようなしっとりとした空気がその場に満ちていました。その後、誰でも一度は聞いたことのあるショパンの名曲が次々と弾き継がれ、最後の山場は2度来ました。その1=ショパンの「革命」:ショパンが怒りに燃えて作曲したという祖国愛の迸る迫力曲が、作者の思いを見事に表出・再現されて、演奏されたのでした。

最後の曲はご自身作曲の「激情」:これまで作られた古今東西の楽曲では、自分のエネルギー・魂・思い・技能etcを発散するのに満足が行かない、そこで自分で作曲してしまったと思える凄い曲!!!(本人によれば自然と指が動いて新しい曲ができてしまうとのこと)筆者の乏しい語彙範囲を越えた、なんとも表現できない激しい曲のすばらしい演奏=迫力ではアンドレ・ワッツ!華麗さではバン・クライバーン!
アンコールは「愛の讃歌」:筆者の世代ではブレンダ・リーの名唱で知られる美しい曲のあと、ラ・クンパルシータ、リベルタンゴと続きました。聴衆の皆さんもこれらのポピュラー曲を聞きながら、青春の良き日に思いを馳せ、また急に胸を痛めた日を思い出していたのでは、と思います。

筆者は、幼友達のマッチュンこと松崎義典さんに誘われて昨年「梅の香薫るコンサート:ROOTS」の感想を寄稿させていただき、今回誠に僭越ながら2度目の筆を取らせていただきました。前回は幼友達への「ご恩返し」、今回は単に音楽を愛する1個人として、どんな種類の音楽でも問わず愛する自由人として一筆啓上させていただきました。音楽のジャンルを越えた平原音楽に乾杯!何でも、弾いて楽しく、感動に酔えれば、クラッシックであろうと歌謡曲であろうと、はたまたタンゴであろうがピアノに載せて愛でてしまう、そんな平原さんがいつの日かニューヨークのカーネギーホールでクライバーンがしたような演奏を披露されることを夢見、祈りつつ筆をおきます。
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