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2004年4月18日   Vol.24
                 
風光る日のコンサート(近藤浩志チェロリサイタル) 
 
 風光る日のコンサート
  ずっと憧れてやまなかったチェロの名手を、ついにお迎えすることになりました。
クラシックファンにはもうご紹介の必要がないかもしれません。
大阪フィルハーモニー交響楽団首席奏者であり、
あの久石譲氏には“僕の戦友”と言わしめた近藤浩志さんです。

近藤さんの音楽は、光と影が織りなす物語。
光が強くなればなるほど色濃い影を感じ、影が深ければ深いほど
僅かな光にも優しさを感じます。
失ったものの重みでふと立ち止まってしまう日もあるけれど、
でもこうしてまた一緒に新しい季節の中を歩いて行こうねと、導いてくれるような。
そんな光をきっと、私たちは受け取ることができるでしょう。

どうぞ大切な人とご一緒に、桜の庄兵衛へお出かけください。
プロフィール
  近藤 浩志
大阪府枚方市生まれ。東京芸術大学、仏エコール・ノルマル、ブローニュ音楽院両校首席卒業。第二回、第三回大阪国際室内楽コンクール特別賞受賞。カーネギーホールでのニューヨーク
ポップスオーケストラとソロ共演を始め、国内外のオーケストラと数多く共演。

世界的指揮者であるジャン・フルネ氏から「素晴らしい音色と音楽を兼ね備えた現代第一級のソリスト」と認められる。久石譲氏のコンサートツアーに度々参加。

クラシックの名曲から「風の谷のナウシカ組曲」までが編まれた初のソロアルバム
「arcantoアルカント」は大好評を得、ヨーヨーマからも絶賛された。
新日フィルを経て、現在は大阪フィルハーモニー交響楽団首席奏者。
プログラム
  涙の流れるままに               ヘンデル
無伴奏チェロ組曲第一番よりプレリュード    バッハ
風の谷のナウシカ組曲(改訂版)        久石譲

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光と影
 白鳥           サン=サーンス
 ノクターン遺作嬰ハ短調  ショパン
 タイスの瞑想曲      マスネ

日本の心
 砂山           中山晋平
 初恋           越谷達之助
 しゃぼん玉とんだ     中山晋平

唄い継がれし命
 さくら さくら      日本古謡
 鳥の歌          カタロニア民謡
 ダニー・ボーイ      アイルランド民謡

当日の大阪日日新聞の記事(PDFファイル)
”チェロの音しみた日”によせて                                  丹野順子
.  .  「背筋をピンと伸ばしておしゃべりもせず、畏まって聴くようなコンサートは苦手で、一緒に口ずさんだり話したりできるコンサートにしたい」と言われたチェロ奏者近藤浩志氏の思いは、奏者と聴衆が同じフロアで、奏者の息継ぎの音まで聞こえる近さで、一流の音楽が聴ける桜の庄兵衛のコンサートそのもの。「風光る日のコンサート」の開幕です。
 バッハの「無伴奏チェロ組曲第一番」は、やさしい音色がスーッと体に溶け込んでいくような心地よさを感じました。次の「風の谷のナウシカ組曲」(改訂版)の中の「遠い日々」では、小さな女の子の歌声とともに、大人たちからオームの子を守ろうとして「ダメーッ、連れて行かないで!何も悪いことしてないのに」と叫ぶ幼いナウシカの声がよみがえり、谷を救ったのは、武力ではなくナウシカの慈悲の心だったと思い出させてくれました。

 途中、一曲終わるごとに額の汗を丁寧に拭いてらした近藤氏に、聴衆より上着を脱がれたらと声がかかりましたが、「黒を着ているほうがやせて見えますから」と笑わせてから、普段使わない頭を演奏のときだけは使うのか額にだけ汗をかき、目に汗が入って目が痙攣を起こした苦い経験から、長髪をオールバックにして後ろでくくる今の髪型になったとの裏話も聞けました。

 中間だけは明るく、前半と後半は暗いショパン「ノクターン第20番嬰ハ短調」のCD録音のときは、今までのことがいろいろ思い出されて弾くと言うより弾かされたという感じがしたと言われましたが、これだけ一流の方でも何かあったのかナと思い、災い転じて福となったりその逆だったり、近藤氏の言われた音楽の「光と影」同様、人生も表裏一体だなあと思っていると「しゃぼん玉とんだ」。えっ!楽しいしゃぼん玉とんだがなぜ?すると生まれてすぐ死んでしまった(こわれて消えた)子の鎮魂を願う母の気持ちを思い曲調を変えたと解説があり、切ない心にしみる調子で、こんな思いが込められていたのかと胸が痛み、これからしゃぼん玉を見たらこの想いを思い出すナちょっと切ないなと思いました。

 人と人とが争う悲しい世の中で、芸術家の自分にできるのはいろいろなコンサートでメッセージを送り続けることと言われ、アイルランド民謡で第一次大戦の前年、世界中が戦争に怯えていたときの母の気持ちの「ダニー・ボーイ」の詩を「私のダニーよ、お聴き。・・・・・・戦争なんかで手柄を立てなくていい!だから、この懐かしく優しいアイルランドの地に、必ず帰っておいで、私のダニー」と自ら朗読してから、演奏されました。ああ、あの母の叫びは、世界の親の叫び!イラクの人たちや派兵されている人たちのことが頭をよぎります。

 命を受け継いでいくという気持ちを伝えることが、音楽家の使命だと思うと言われた近藤氏。その近藤氏と共にすばらしい演奏をしてくださったピアノの吉澤友里絵さん。心にしみる音楽を、ありがとうございました。ぜひまた、桜の庄兵衛でコンサートを開いてください、お願いします。
 スタッフの皆様、変わらぬ温かいおもてなし、ありがとうございました。