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2002年11月24日   Vol.17            .
                     秋おくる日のコンサート

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秋おくる日のコンサート
         

何の楽器も伴わない、声だけで構成された歌を「ア・カペラ」といい、
静かなブームを呼んでいます。
楽しい時、悲しい時、祈りたい時、言葉を思いのままに風に乗せる。
     “心ときはなて
      もっとやわらかく 深く
      木や土に同化せよ”
そんな歌うことの原点を、RICO 神島さんは表現し続けてきました。
深く豊かな歌声は、私たちのさまざまな感情を呼び覚まし、五感に響き、
そしていつのまにか明日への扉を開く元気で満たしてくれます。
今年の秋も「桜の庄兵衛」で、とっておきの時間をお過ごしください。

 RICO神島(りこ かみしま)ア・カペラ歌手 プロフィール
          愛媛県生まれ。上野学園短期大学声楽科卒。
1998年、日本人として数少ないソロのア・カペラ歌手としてコンサート活動を始める。
深い音質、豊かな声量は「魂を揺さぶる独自の歌唱法」と評価が高い。
代表曲は「パルチザン・ソング」(ブルガリア民族音楽)、「早鬢多々良」(雅楽)、「竹田の子守唄」等。
また、2001年世界室内自転車競技選手権日本大会開会式(鹿児島)では、「AMAZING GRACE」を歌う。
最近ではア・カペラを中心に伴奏のある楽曲にも取組み、多様な音楽活動を展開している。
プログラム
★ パルチザンソング
★ 竹田の子守唄
★ 早鬢多々良(はやびんたたら)
★ アメージング・グレイス

その他
日時
2002/11/24(日)

      16:30開演
     (16:00開場)

●参加費 \2,500
祈りのひびき                         磯部南海雄
 

晩秋の「桜の庄兵衛」。軒先にはつるし柿がその風情を彩っている。いつもながらさりげない小さな心配りをいいなと感じながら中に入るともうかなりの人で、後ろの方の太い柱を背にして座る。座るといつも自然に目線が上にいく、見上げると太い梁が間を仕切っている。日本の厳しくもゆったりとした奥行きを感じる空間だ。RICO神島さんのコンサ−トが始まった。

 “パルチザン”ソング(ブルガリア民族音楽)。
戦いの歌でありラブソングでもあるというこの曲はRICO神島コンサ−トのオ−プニングにふさわしく、人々の生を壮大に歌い上げる。これぞRIKO神島といえるメインの一つの曲である。勇壮に戦う人々を讃美しまた恋人の無事をせつなく思い祈る。桜の庄兵衛の空間に激しくも切ない祈りのひびきがしみこんでいく。以前東京の“石響”という小さなホールで聴いた時の衝撃的な圧倒的なRICO神島の“パルチザン”の響き(コンクリ−トの地下のホ−ルのため音響効果大)に体丸ごとを揺さぶられたあの曲が場所を変えて、今はこの太い梁の庄兵衛の空間の中に“石響”とは別の“庄兵衛のパルチザン”が息づいていた。壮大なスケ−ルのなかにのびやかに想いが波打つようであった。

 次のプログラムは日本の古い雅楽から”早鬢多々良“という曲。人々の平安を願う素朴なひびきだ。”パルチザン“とは一変して平らな和らぎの流れだ。

 つづいて”竹田の子守唄“
RICO神島の持ち味の一つの曲である。歌い終わった後に「美しいメロディ−ですね」「守り子の深く重い心の願いの歌です 日本のこの歌は世界に向かって歌っていきたいと思っています」とRICOさんのト−ク。せつない日本の労働歌ですね、とも付け加えた。この深く豊かなひびきはきっと多くの国の人々の心にも訴えかけることだろう。大いに期待していたい。

 続いてプログラムは
  “アメ−ジング・グレイス”イギリスの古い讃美歌。鎮魂歌。
  “一輪の歌”  (オリジナル)
  “雪のふるまちを”
     “ヒネ・エ・ヒネ”(ニュ−ジ−ランド、マオリ族の子守歌)
最後は
  “マルタの祈り” (チェコの人々の祈りの曲)
アンコールに
  “ふるさと”
  “花”(すべての人の心に花を)

 ア・カペラを聴く機会が増えてきた。グループでの演奏が多い。だがRICO神島は独りだ。RICO神島の生きざまから生じた人間への思いがあたかも巫女が神座から発するかのごとく 時に天に向かいて吠え地に向かいて涙するそういった祈りがRICO神島の響きの底を流れている。

 最後のアンコ−ル曲“花”。東京のコンサ−トではこの“花”の後、多くの方が目頭を押さえていた。今回もきっと聴けると思っていた“花”を最後に聴くことができて思わず身を乗り出した。「桜の庄兵衛」でのRICO神島コンサート。心にひびくいい時間でした。
ありがとうございました。