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| 2001年 6月 3日 Vol.10 梅雨入り前の暑気払い 吉朝おとし噺の会 上方落語:桂吉朝 |
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桜の庄兵衛、初の落語ライブが、実現しました。ご出演くださるのは、上方落語界きっての語り部・桂吉朝師匠です。 300年以上もの歴史を持つ落語ですが、その伝鋭を支えてきたのは、何代にもわたる落語家の皆さんと庶民の聴衆でした。ただ一人の演者による語りとわずかな身振りだけでたちまち「もう一つの世界」が創り上げられる落語は、いわば「創建カと想像力の文化」。そこには、様々な時代の人々の機智や情が息づいています。それはまきに、古き庄屋屋敷でありながら、今も子孫が工夫を凝らして住みこなす「桜の丘兵衛」の世界といえるでしょう。想像の翼を広げ、笑いながらジンとし、頷きながらまた笑う上方文化の粋をご堪能ください。 なお、師匠のご厚意により、昼の部・夕の部は各々違う演目が掛かります。お好きな方は、ぜひ昼・夕通しでお楽しみください。 |
| くプロフィール〉 | 桂吉朝(かつらきっちょう) 昭和29年、堺市に生まれる。 昭和49年1月、桂米朝に入門。 平成元年大阪市さくやこの花賞受賞、平成5年第56回国立演芸場花形演芸会金賞受賞、平成6年第14回国立演芸場花形演芸大賞受賞、平成7年読売TV上方お笑い大賞金賞受賞。 特技は長唄・日舞(唄って踊れる噺家です!) 桂吉弥(かつらきちや) 昭和46年、茨木市に生まれる。 平成6年11用、桂吉朝に入門。 平成9年ABCお笑い新人グランプリ審査員特別賞受賞、平成10年NHK新人演芸人賞新人賞受賞。 特技は長唄・小鼓・スポーツ解説(サッカー・野球・相撲・コム跳び!) |
| ● 日時 | 6月3日(日) 昼の部13:00開演(12:30開場) すみよしかご じゃがんそう 演目 住吉駕籠・蛇含草 夕の部16:30開演(16:00開場) さらやしき 演目 皿屋敷・子ほめ 前座 桂吉弥の演目は当日のお楽しみ 三味線●大川貴子 |
| 「気と間と舞台」 石原武政 |
吉朝師匠の高座は「世間話」のように始まった。聴衆をリラックスさせるように語りかけてくる。まさか、落語を開くのに裃を着て、緊張する人もいるまいとも思ったが、さにあらずと言う。落語噺を開きながら、中身に引っかかって理屈を考え出す人がいるのだそうだ。こんな人はどうしても落語の中に入っていけない。「ダメな人はダメなんですよ。」そう言って爆笑を誘いながら、嫌でも聴衆の肩のカを抜いていく。 一転して声が変わり、口調が変わる。「まくら」が終わって、本題に入ったのだ。腹の底からの迫力ある声が会場の空気を引き締める。「気」が入ったとでも言えばいいのか。それにしても一瞬の変わり身である。「まくら」は聴衆をリラックスさせるだけではなく、演者自身の気を高める準備段階だったに違いない。 私自身も、人前で話す機会は結構ある。どうすれば自分の気を乗せることができるのか。それは大問題だ。空を泳ぐ凧のように、少しずつ高まって、やがて高まった気の中を泳ぐことができれば万々歳だ。あんなに急激に、まさに気を入れて、気を乗せるのなんてことは、とてもできない。これが鍛錬というものなのか。 計算されつくした「間」が、長年にわたって磨き抜かれてきた「話芸」を感じさせる。噺自身は以前にも聞いたことがあった。それでも引き込まれてしまう。この魅力は一体何なのだろう。人の精神を解放させるからなのか。「下げ」に思いをめぐらすこともなく、噺が自然に身体を通り過ぎていく。 師匠は「落語は弱い芸だ」と言う。なかなかどうして、ごくわずかな小道具と話芸だけでここまで人を引きつけるのだ。テレビ桟敷では絶対に味わえない魅力がそこにあった。「落語をするために建てられた家のようだ」というのは話半分に開くとしても、桜の庄兵衛という舞台が「小道具」の一部になれたのは間違いなかった。 |