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2000年10月1日   Vol. 6     そよろ風ふくコンサート
                     フルートとハープ、秋の調べ

そよろ風ふくコンサート
フルートとハープ、秋の調べ
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 フルートとハープ、秋の調べ
       秋空に澄みわたるフルートとハーブのコンサートを
              「桜の庄兵衛」で楽しみませんか。
          今回お迎えするのは、美しき楽人おふたり。
                 タイトルに冠した「そよろ」は
      ”物に触れて軽く鳴る音”の意を持つ言葉です。
    深く懐かしい香りの庄屋屋敷で聴くサティーやラヴェル、
        イギリス民謡や赤とんぽは、風のように軽やかで
    そしていつよでも心に残るひとときになることでしょう。
             ご家族や気の合うお友達とご一緒に
               優しい秋の中へお越しください。

●プロフィール ・安藤 史子(あんどうふみこ)
神戸女学院大学音楽学部卒業
渡仏、パリエコールノルマル音楽院にて学び、フルートと室内楽の音楽院最高位のティプロマを取得し卒業。
東京、大阪でのリサイタル、NHK-FM土曜リサイタル出演などで、ソリストとして活躍。
1998年ファーストアルバム”Decollage”を発表(ナミレコード)。大阪文化祭奨励賞など受賞多数。現在、神戸女学院大学非常勤講師。いずみシンフォニエッタのメンバー。

野田 千晶(のだちあき・ハープ)
国立音楽大学器楽学科ハープ専攻入学、1982年首席にて卒業。
卒業演奏会終了後は活動の場を関西に移し、多数のコンサートに出演。
大阪フィル、関西フィル、大阪センチェリー響など関西の主要オーケストラとの共演、
ピアノやフルート、歌などさまざまな楽器とのジョイントコンサート、邦人作品の初演、
独奏や室内楽による演奏会など多方面にわたって活躍中。
海川佳代子、田淵順子、ヨセフ・モナールの各氏に師事。日本ハープ協各会員。
●プログラム

フォーレ/シチリアーノ
サティー/ジムノペディー〜彼の鼻眼鏡〜
     君が欲しい
イベール/間奏曲
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
ジュナン/ヴェニスの謝肉祭

☆ハーブ・ソロ
イギリス民謡/グリーンスリーブス
シャートック/2時10分
ジョントーマス/四季より「秋」

(休憩)

多忠亮/宵待草
山田耕筰/赤とんぽ
藤井修/夕映え
アンドレ/ナルテックス
ドップラー/ハンガリア田園幻想曲

●日時
10月1日(日)
昼の部15:00開演
夕の部18:00開演
参加費 ¥2,500

「そよろ風ふくコンサート」を聴いて

邑瀬 千恵子
 桜の庄兵衛さんのコンサートは三つ折れに畳まれた一枚の案内状が届けられた時から始まります。どんな挿絵かしら、題目はなにかしら、わくわくしながら開きます。

 乱れ咲く萩の花、そよろふく風、すべてがあのお屋敷の空間で演奏される楽人の姿を連想させ、今回も心憎いまでに季節感を大切にされている主催者の姿勢に思わず微笑んでしまいました。そしてフルートとハープの調べはまさに秋のそれを味わうに相応しいものでした。この二つの楽器を奏でる人は不思議に美人と決まっていますね。安藤史子さんも野田千晶さんも例外ではありませんでした。

 前半はフオーレからジュナンまでフランスの作曲家で統一された選曲。ピアノ曲あり、オーケストラ曲ありのフランス音楽の粋を極められた安藤さんの力量を強く感じました。目を閉じて演奏される姿に私もまぶたを閉じて聴き入りますと、
まるでJ.P.ランパルを彷彿させるような音の延びと深みに思わず引き込まれてしまいました。片や、野田千晶さんのハープはL.ラスキーヌと言いましょうか。

 そして今回の私のもう一つの感動はハープの演奏をこんなにも真近で聴かせていただけたことでした。オーケストラではいつもヴァイオリンの左後方にあって、独特の美しい余韻をかすかに感じる程度の知識しかありませんでした。野田さん自ら楽器の説明をして下さり、ダブルアクションのペダルを足で繰っておられる姿まで至近距離で拝見でき、これぞ桜の庄兵衛さんでのコンサートならではの体験でした。古代神話から女神の持っ楽器とされ、その上、美しい音色と軽やかな指の流れが、この楽器は女性のものと位置付けていましたが大変な労働だと知りました。でもそれをおくびにも出さずに幅広い音域をフルに使ってのソロ演奏とフルートとの共演は「夕映え」で頂点に達していました。

フルートとハープが独奏楽器となっている有名なモーツァルトの協奏曲がありますが、それとて弦との合奏の上での事。二器だけでの演奏は深みを欠くのではとの疑心もすぐに消えました。息の合ったお二人の演奏が繊細な音色を巧みに絡ませて、日本の家屋に美しい響きを醸し出し、ハンガリア田園幻想曲を聴くころはすっかり二つの楽器の虜になっていました。

 見事な銀寄せ栗の渋皮煮を口いっぱいにほうばりながら外に目を向けると黐(もち)の木の小さな実が黄金に輝いて見えました。