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2000年5月28日   Vol. 4     風薫るコンサート
                     ブードリオ・オカリナ・コンサート


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風薫るコンサート
ブードリオ・オカリナ・コンサート


オカリナを中心にしたアンサンブルです.日本の歌からポップスや世界の民謡など、幅広いレパートリーで知られています。
●プロフィール 小林達夫
(オカリナ・リコーダー・民族管楽器)
オカリナ・リコーダーの演奏や指導に活躍するとともに、各種民族楽器の演奏も行う。
1978年度のアンサンブル活動において大阪文化祭賞・音楽クリティツククラブ奨励賞受賞。
1988年、ロンドンのルフトハンザ・フェスティバル・オプ・バロックミュージック参加。大阪音楽大学講師。

増井一友
(ギター)
大阪センチュリー交響楽団など、関西の各オーケストラとも競演、様々な分野で活躍する。
第7回日本ギターコンクール第3位。第2回ホセ・ノレイス・ゴンザレス国際ギターコンクール第1位。
アメリカ・マルティネス国際ギターコンクール第1位。
大阪音楽大学講師。
●プログラム
 風の伝説
少年時代
北の国から
竹田の子守歌
もののけ姫
スペイン民謡集
アイルランド民謡集
花祭り
コンドルは飛んで行く
●日時
2001年5月28日(日)
昼の部13:00〜15:00(開場12:30)
夕の部16:30〜18:30(開場16:00)
 薫る風に吹かれながら

プードリオ・オカリナ・コンサートを聴いて
           三浦 京子

 オカリナとギターか、いいなあ・・・と反射的に申し込みはしたものの、オカリナの音色を確実に聴きわけられる自身はないし、大きさ、形、どこに幾つ穴があいてるのかと聞かれても答えられない。第一、オカリナって何で出来てるんだろう?土かな・・・と
いう程度。
 要するに、オカリナについて何も知らないのに、確かにどこかで聴いたことがある.この懐かしさは何だろう。笹笛、指笛、鳩笛、これらの音楽が醸し出す風景を思いつつ・・・
 前日の雨をタッブリ吸った緑が元気よく光合成をしているような5月28日。奥野さんご夫妻はいつもの笑顔で出迎えてくれた。傍らに、真っ赤な花を果実のようにつけた樹。皆が一斉に足を止めた。
「これ何ですか」「ボトルプラッシュ?なるほど」「見事ですよねえ」「初めて見ました」「和名もあるんでしょう?」「たしか金宝樹とか」…見ず知らずの人同志が花の下で言葉を交わす。この和やかさこそが、この館での催しのいわば前菜だろう。
 一陣の風のように演奏は始まった。そう、オカリナは風の音だつた。その風に吹かれながら、私は永らく思い出すことがなかった子供時代に戻っていた。−「城山」と呼んでいた近所の山の石垣に腰掛けて、足をぶらぶらさせながら空を見ている弟と私。空はゆるやかなカーブで海に落ちて光っていた。−ふと我に帰ると、小鳥のさえずりが聞こえる。演奏が始まってすぐに、驚いたように飛び立ったあの鳥が仲間を連れてきたんだ。オカリナとギターに小鳥の伴奏。期せずして始まった三重奏を奏者も拒まない。むしろ、この館ならではの趣として楽しんだ。オカリナが風ならギターは川面のさざ波、そこに小鳥が遊びに来ても何の不思議もないだろう。
 休憩の後、後半の始まりはギター演奏。一気にスペインの旅へと誘われた。ギタリストに抱かれる鵄茶色の肌が美しい。演奏中にこんなにも抱き締められる楽器が他にあるだろうか。
 再び二重奏となって旅は続く.民謡にまつわる物語も織り交ぜながら、古のシルクロード、アルゼンチン、ポリビアへと、オカリナの風に吹かれて、旅の楽譜は繰られていった。
 故郷の山から世界各地の空を巡った2時間余りの旅が終わった時、小鳥たちはどこかへ去り、夕暮れの庭には竹燈籠が灯っていた。
 「桜の庄兵衛」この館が修復され、私たちを迎えてくれるようになって3度目の夏が来ようとしている。何度ここの門をくぐっただろうか。訪れる度に、私の中で、ささくれだっていた細胞のいくつかが丸まって和らんでいくような気がする。もうちょっと長居をしていたいような気分の帰り際、「またすぐ来れるんだから」と言う、−もう一人の私がいつもいる。